その他

TKIインハウス・アソシエイト・プログラムのご案内 – 企業の法務部から法律事務所への出向(研修)

TKIインハウス・アソシエイト・プログラムのご案内
企業の法務部から法律事務所への出向(研修)

最近、企業の法務部の方から、法務部員の人材育成のための法律事務所への出向(研修)のニーズがあるのにその機会が少ない、というお話を伺う機会が何度かありました。確かに、弁護士が企業の法務部に出向するという話はよく聞きますが、企業の法務部員が外部の法律事務所に出向するという話はあまり聞いたことがありません。

昨今、複雑化し、グローバル化する企業活動の中で、法務部門として企業経営にどのような貢献ができるのかを考えたとき、企業の経営上の課題に対して、法的な視点から付加価値のある貢献度を高めていく必要性が高まっています。このような視点で、企業の法務部と外部の法律事務所の新しい人材交流の形として、法務部員が外部の法律事務所へ一定期間出向(研修)し、法務部員が外部の法律事務所の知見に触れることは、企業の法務部における法務部員の人材育成にとって新しい可能性を拓くのではないかと考えています。

本ご案内では、企業の法務部から法律事務所への出向ニーズの背景、出向の意義について探ります。当事務所は、こうしたニーズに応えるため、法務部員の出向受入制度「TKIインハウス・アソシエイト・プログラム」を用意しています。

法律事務所への出向(研修)にご関心のある法務部門の方は、ぜひお問い合わせください。

■ 法務部門の業務が複雑化・高度化し、法務人材の育成が難しくなっている

近年、事業活動の複雑化やグローバル化、社会のコンプライアンス強化の流れに沿って、法務部の業務範囲は拡大し、難易度も上がっています。こうした変わりゆく経営環境の中で、どの企業も、経営課題に対して的確なリスク評価とリスク管理を行うことができる法務機能を必要としています。法務部門として、求められる期待に応えるため法務部員をどう育成していくか、課題を抱える企業も少なくないのではないでしょうか。

法務部の業務は多岐にわたり、優秀な法務人材を育成するためには中長期的な育成計画とリソースが必要です。法務部の業務を挙げると、契約書のチェック、営業部などからの相談への対応、規程類の整備、コンプライアンス違反事案への対応、株主総会の運営などの法律関連の業務だけでなく、稟議の起案と社内承認の手配、他部署との調整、社内研修、予算管理などの管理系の業務もあります。

社内で処理できる業務については確実な処理を行い、外部委託すべき業務を見極め、訴訟案件やM&A・投資案件など、専門性の高い業務について、外部弁護士に委託する場合には、外部弁護士とのやりとりも発生します。

さらに、国際的なビジネス展開をする企業では、個々の業務は国際的な業務を扱う法律事務所を起用するとしても、国際的な法務課題の一通りの理解と局面での判断力は必要です。企業が直面する国際法務関連の業務には、英文契約書のチェック、国際的なM&A・投資案件、JV案件のほか、外国企業との訴訟など、国際的な独禁法、個人情報管理、海外腐敗行為防止法、ビジネスに関わる人権問題などが含まれるでしょう。国際業務に耐えられるだけの英語力の研鑽も必要です。

こうした専門性の高い業務や国際法務関連の業務は、近年増加傾向にあるものの、リソースの制約などの事情から、企業の法務部内だけで十分な育成体制を設けることに苦労される企業は少なくないかもしれません。当事務所は、専門分野・国際業務における最新の知見・ノウハウを蓄積し、企業の法務部員の経験と研鑽のために、新しい可能性をご提供できるのではないかと考えています。

■ 企業の法務部から法律事務所への出向機会は少ない

近年、企業の法務部と外部弁護士との関係について、以下のように企業の法務部が外部弁護士の知見を取り入れる傾向が見られます。

  • 経験を積んだ外部弁護士が法律事務所から企業の法務部(インハウス)へ転職するキャリアチェンジは一般的となり、またキャリアのスタートから企業の法務部(インハウス)を選択する若手弁護士も増えてきています。
  • 先進的な企業の中には、チーフ・リーガル・オフィサー(CLO)やゼネラル・カウンセル(General Counsel)といった肩書で、外部弁護士として豊富な経験を有する人材を法務担当役員に起用する企業も出てきています。それだけ、複雑化・高度化する企業活動において、経営陣の中に法律分野の経験と知見のある人材が必要になっているということでしょう。
  • 企業の法務部門の業務のアウトソースのニーズが高まり、法律事務所の弁護士が出向やリモートベースで法務部の業務を支援するサービスが普及してきました。当事務所でも、リモートベースでクライアント企業の法務部の業務を支援する「TKIリモート・インハウスサービス」の提供を開始し、すでに数多くの上場企業に導入していただいています。

<TKIリモート・インハウスサービスのご紹介>

こうして企業の法務部と法律事務所の人材交流は進み、両者の垣根はどんどん低くなっていますが、いずれも外部の法律事務所から企業の法務部(インハウス)への人材の移動です。これに対し、企業の法務部員の外部の法律事務所への出向(研修)の機会については、潜在的な需要があると思われるにもかかわらず、十分な機会があるとはいえませんでした。

■ 企業の法務部から外部の法律事務所への出向経験から得られるもの

企業の法務部から外部の法律事務所への出向(研修)は、法務部員の方にとって、外部の法律事務所にて専門分野について知見を高め、外部弁護士の思考様式や多様な考え方を感じ取っていただくことで経験の幅を広げ、帰任後の法務部での業務に必ずや生きてくるものと考えています。

企業の法務部員と外部弁護士の最大の違いは、企業の経営課題について、自ら企業内の意思決定に参画していけるか、外部のアドバイザーとして意見やアドバイスを提供するにとどまるかという点です。企業内の意思決定への参画は、外部弁護士にはできません。経営課題の中にある法的な課題について、社内の事情を理解しながら、法的な専門知識と思考方法を駆使して企業内の意思決定に関わっていくのは、法務部員(インハウス)にしかできない重要な業務です。

そうした企業内の重要な意思決定をするにあたって、企業のビジネスに対する深い理解と社内クライアントである営業部などとのコミュニケーションを含む企業の法務部内での経験に加えて、外部の法律事務所での出向を通じて得られる専門性の高い、幅広い経験は大きなメリットになるでしょう。

■ TKIインハウス・アソシエイト・サービス(出向受入制度)の内容

当事務所への出向期間、その他の出向条件の詳細については、各企業と個別に協議させていただき、柔軟に設計することを想定しています(例えば、3か月、6か月など)。法務部門長のご推薦があれば、弁護士資格の有無は問いません(個人でのお申し込みは対象外です)。

出向期間中は、当事務所のオフィス(あるいはリモートワーク)で業務に従事していただくほか、当事務所の弁護士研修プログラム(Immersion Program)を受講していただけます。実際の案件をベースに練り上げた、実践的かつ最先端のプログラムです。当事務所の実務とノウハウが凝縮されたプログラムに取り組んでいただくことで、専門分野でのスキルアップにご活用いただけます。

<プログラム紹介(一部)>

DD演習、M&A契約演習、英文ライティング、英語会議演習、英文SPA(株式譲渡契約)演習、再生可能エネルギー取引契約演習、訴訟演習など

また、当事務所の弁護士向け英語研修プログラム(Exchange Program)にもご参加いただけます。日本法弁護士と外国法弁護士が定期的に集まり、海外の法制・判例など多岐にわたる内容につき英語でディスカッションします。本プログラムに参加していただくことで、英米法・大陸法の違いなど多様な考え方に触れ、日本の法制を外国法弁護士に説明するトレーニングになりますし、実践的な英語の研修機会にご活用いただけます。

出向期間中は、当事務所の多様なバックグラウンドを持つ弁護士との交流を深めていただく貴重な機会にもなります。当事務所には、国内大手や外資系の法律事務所、国内の大手企業の法務部(インハウス)で研鑽を積んだ弁護士に加え、様々な国(英米法・大陸法系)の外国法弁護士など、多様なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。様々な弁護士との交流を通じて、異なるものの考え方や国際的にも多様な経験に触れていただく機会になります。

当事務所への出向(研修)制度にご関心のある企業の法務部の方は、具体的な出向制度の内容や出向期間、その他の出向条件について、下記までお問い合わせください。なお、受入キャパシティなどの事情により、ご希望に添えない場合もございますので、ご了承いただけますと幸いです。

※当事務所では、業務上、機密管理、コンフリクトの管理に万全の注意を尽くしています。出向期間中及び出向期間経過後も、当事務所の所定のルールの遵守をお願いしております。

【TKIインハウス・アソシエイト・プログラム お問い合わせ先】
東京国際法律事務所
問い合わせ担当
メールアドレス:info@tkilaw.com